フィギュアスケート全日本選手権2014の感想まとめ（町田ロス）

町田樹選手の引退発表で、記憶が全部吹っ飛んでしまいそうな2014年の全日本フィギュアスケート選手権ですが、なんとか感想なんぞをまとめて残しておきたいと思います。（町田ロスがすごい…）

↓結果はこんな感じ。

全日本選手権・男子
1位 羽生結弦 ＡＮＡ 286.86
2位 宇野昌磨 中京大中京高 251.28
3位 小塚崇彦 トヨタ自動車 245.68
4位 町田樹 関西大 242.61
5位 無良崇人 ＨＩＲＯＴＡ 236.40
6位 山本草太 邦和スポーツランド 206.80
7位 村上大介 陽進堂 202.08

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全日本選手権・女子
1位 宮原知子 関西大中・高スケート部 195.60
2位 本郷理華 愛知みずほ大瑞穂高 188.63
3位 樋口新葉 日本橋女学館 181.82
4位 永井優香 駒場学園高 168.55
5位 村上佳菜子 中京大 168.29
6位 坂本花織 神戸ＦＳＣ 167.46
7位 加藤利緒菜 長尾谷高 165.53

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credit: Stewf

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やはり王者だった羽生結弦選手

ソチ五輪チャンピオン羽生結弦選手(20)はさすが、圧倒的でした。フリー冒頭の4回転サルコーで転倒した時はどうなることかと思いましたが、直後の4回転トーループを成功し、以降は圧巻の演技で優勝。高橋大輔選手以来となる三連覇を達成！

特に印象に残ったのは、SPで苦手としている3ルッツを軸が傾きながら無理やり決めたシーンです。意地を感じました。

ただ、優勝した後、腹痛が判明して病院で精密検査→エキシビジョン欠席ということになってしまい、検査の結果が非常に心配です。

今季は中国杯での衝突以降、コンディション的に無理をしていたのは明らかなので、今後の調整にも影響が出るかもしれませんね。夢の300点超えはしばらくおあずけかも。

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宮原さん優勝おめでとう

全日本を初制覇し、次代のエースになりつつある宮原知子選手(16)。

FPでは冒頭の3-3を3-2-2に変更し、演技後半のダブルアクセルも単発から2A-3に変更して勝負をかけました。これがハマったと解説の荒川さんも言ってました。

宮原さんは、マジメがスケート靴履いて滑っているような人なんですよねー。成績優秀で、家では料理を作るし、性格は控え目ながら、練習の虫と言われるほどの努力家。おまけに両親が医者。

弱点であるジャンプの低さはずっと指摘されていますが、それ以外の部分で努力と改善を重ねての初優勝。とくにぴしっと伸びた背筋など姿勢が良いという声が多いです。

宮原さんのようなひたむきな努力が報われる瞬間を見ると、世の中捨てたもんじゃないなっていう気持ちになります。

今でも可愛らしい彼女ですが、歯列矯正が完了したらさらにファンが増える可能性大ですね。初めての世界選手権でも結果を出して欲しい。

村上佳菜子選手の点数が低い？

SPでは会心の演技かと思いきや点数が伸びず9位と大誤算だった村上佳菜子選手(20)。本人はかなりショックだったことでしょう。

盛り返したFP後のインタビューでは「棄権するわけにもいかないし」と、聞かれてもいないのに「棄権」という言葉を出すほどでした。

件の回転不足は、たしかにジャッジが厳しいという意見もありますが、村上選手の回転不足のクセは以前から指摘が多く、ジャッジングに左右されないきっちりしたジャンプが必要だという意見も多いです。

また、ジャッジに不満があるから棄権しちゃおうかなという考え自体が、ちょっと甘いのではないかなぁという気がしないでもありません。

エキシビジョン後のコメントで、真央ちゃん、織田くん、アッコさんら、先輩方から励ましの言葉があったと言っていましたが、先輩に頼らず自分が女子フィギュアを背負っていくくらいの覚悟がないと、この先もいろいろ厳しくなりそうだなーと思ったりします。

元々メンタル面が弱いと言われる村上選手。精神的に一皮むけたら、本当に次代のエースになれるかもしれないのですが、そういう闘争心って持てと言われて持てるものではないのかもしれません。

台頭してきた樋口新葉選手の半分くらいの闘争心でもいいから持ってくれればいいなーと。

全日本選手権は結局5位に終わりましたが、世界選手権の代表に選出されたのは救いです。

それに、もうイヤになって引退してしまうなんてこともあるかもしれないと思ってましたが、「来季強くなって」と来季へのやる気も見せてくれたのが意外でした。（昨シーズンで引退するという話もあったし）

変化は怖いかもしれないけど、環境、ジャンプ構成を変更し、成長したカナコスマイルが見れたらいいなと思います。

13歳の新星・樋口新葉

樋口新葉選手(13)は天才との前評判通り、実力的には申し分ないですね。13歳の中学2年生ながら、全日本選手権で堂々の3位。

これだけスピードのある演技が出来る選手はあまりいませんし、他の選手に点数で負ければ表情に出し、自分の演技にも厳しい。

性格がキツイのかなぁという印象もありますが、負けず嫌いな性格というのはアスリートにとって必要な要素だと思います。

SPで本郷選手が樋口選手を上回った瞬間の表情をカメラが抜いていたんですが、そのときあからさまに不満顔が出ていました（笑）

本当に情けない顔をしてしまった。 皆さんごめんなさい。

— Wakaba Higuchi (@wakawakaskate) December 27, 2014

その件については、本人のツイッターでも反省してます。まだ13歳なので、そういうのを隠すのもだんだんうまくなっていくと思います（笑）

ただ、尊敬する選手がキム・ヨナ、安藤美姫両選手というところは、若干ネットでは何か言いたくなる人が多そうだなーという印象。まあ、そういう意見に迎合せず、我が道を行けば良いのではないかとも思いますけど。（マスコミのゴリ押しはやめてあげてほしい）

才能、年齢、キャラクターと、あらゆる意味で強烈なインパクトを残した樋口新葉選手でした。次の五輪の頃には必ず代表争いに加わっている選手なので、これからも注目したいと思います。

樋口選手は年齢制限により世界ジュニア代表のみの出場となりますが、ここでも優勝を充分に狙えるので頑張って欲しいですね。

17歳で全日本選手権2位！宇野昌磨選手

17歳で全日本選手権2位に入った宇野昌磨選手(17)。しょーまくん。

FPでは冒頭の4回転トーループをこともなげに降り、トリプルアクセルも着氷でこらえるなどミスの少ない演技。着氷の粘り強さは大きな武器ですよねー。

スケーティングは高橋大輔選手を髣髴とさせる表現力があり、シニア顔負け。そこへジャンプの実力もついてきて、今後の成長、点数の伸びがすごく期待できる選手です。

構成次第では羽生選手を脅かす存在になれるかもしれないのが宇野選手。座った状態のイナバウアーに「そんな技あるのかー！」と思わず声を上げてしまいました（笑）「クリムキンイーグル」と言うらしいです。あの技。

あとは、もう少し身長があればなーと。現在、身長156cm。17歳だと厳しいのかなー。神様、もう少しだけ成長期でいさせてあげてくださいっ＞＜

宇野選手は、四大陸選手権、世界ジュニア代表に内定しています。世界ジュニアは樋口新葉選手と揃って男女で優勝という可能性もあるので、2015年早々の朗報に期待したいですね。

小塚選手復活のスケーティング！

全日本で3位に入ったのは小塚崇彦選手(25)。

ソチ五輪代表の選考に漏れてから、競技に対する心の持ちようは難しかっただろうと容易に想像できます。

今季ここまで調子が上がらない演技が続いていましたので、FPの曲名「これからも僕はいるよ」を実況アナが読み上げた時は「曲名が悲しすぎる！」など現状を揶揄するコメントも見られました。

しかし、SP6位から一転、FPは演技後にガッツポーズを作るほど会心の演技を見せてくれました。しかも佐藤信夫コーチも一緒にガッツポーズ！

このシーンは胸に来るものがありましたねー。今大会で一番印象的なシーンだったかも。

翌日エキシビジョンの時には、「佐藤信夫コーチからいつも演技が終わったらグチグチ言われるのに、今回は言われなかった」と小塚君が言ってました（いつもグチグチ言われてるのか 笑）

それにしても小塚崇彦の真骨頂・ツルツルスケーティングは健在です。あの流れるようなスケートは、他の誰にもできない。イーグルが素敵すぎます。

どうやったらあんなスケーティングが出来るようになるんだろうと思いながら見てました。

あとは、4回転ジャンプの両足着氷など細かいミスが気になりますが、まず自信を取り戻すという意味でこの大会がきっかけになったのではないかと思います。

長いトンネルを抜けた今、小塚選手の完全復活は近い！

シンデレラ・ガール本郷理華選手

SP1位からのFPは相当プレッシャーがあったでしょうし、少し演技が固かったのは否めませんが、全日本でもミスの少ない演技ができたのは素晴らしいです。宮原さんが上を行っただけで、タイトルを取ってもおかしくない2位でした。

そしてエキシビジョンのスリラーがハマり過ぎ（笑）ゾンビメイク笑いました。これは海外のお客さんにウケそうだし、演技の幅が広いんだなーと思いました。

本郷さん、手足長いし演技は豪快だけど、インタビューが初々しくて可愛らしい。世界選手権でも活躍を期待したいです。

ジャンプ高い！無良崇人選手

今大会5位で終わった無良崇人選手(23)。細かいミスが多くて点数が伸びなかったけれど、ジャンプの高さは圧倒的でした。

無良君がトリプルアクセルを飛ぶたびに「高いっ！」と思わず口をついて出てしまうほどです。

ただ、疲労のせいか、年末になるにつれてジャンプの精度が落ちてきた感じ。ジャンプを戻して、世界選手権では託された町田君の想いも乗せて滑ってきて欲しい。

村上大介選手、FPどうしたー

FP最終滑走となった村上大介選手は、プレッシャーのせいなのか演技がボロボロでした。

NHK杯の完璧な演技を再現するとまではいかなくとも、ある程度は安定した演技が出来ないと厳しい。今後に期待です。

あと、VTRで自分のことを「ダイスケ」って言ってたのがびっくりでした（笑）「真央は～」みたいな感じで。いつもあんな風な自称なのかな？

四代大陸選手権の代表に選出されたので、まだまだチャンスはある！

庄司理紗さんどこいった…？

女子選手の中でも人気がある庄司理紗選手は、今年の全日本選手権には出場出来ませんでした。

ネットでも「庄司理紗は出てないの？」という意見をたくさん見ました。東日本ジュニア選手権大会は10位で、上位に入れず全日本選手権には出られなかったようです。（引退したわけではありません）

→第40回東日本選手権大会第31回東日本ジュニア選手権大会

来季は盛り返して欲しいですね。

謎のプレゼントおじさん

女子のSPの時、スキンヘッドで白縁メガネ、青ジャンパーのおじさんが観客席にいて、主要な女子選手全員に額縁入りの自作の絵（？）のようなプレゼントを渡してました。

おじさんが描いたのか、はたまた誰かの代理で渡しているのかは分かりませんが、かなり気になりました。

町田選手（FP）の実況が無い！放送事故？

町田選手のFPの演技の時だけ、冒頭の2つのジャンプについて「4回転のトーループ」→「4回転のトーループの転倒ですねー」と解説の本田武史さんが言っただけで、あとは実況も解説もずっと無言でした。

いつも実況を無音にしたいなーと思う時もあるのでこれはこれで良かったのですが、なぜそういう風にしたのかは不明です。

小塚選手の時も解説は少なかったし、今大会はそういう方向性だったのかも。謝罪も一切なかったので、放送事故ではなかったようです。

ボタンで実況解説のオンオフできるようにしてくれたらうれしいですよねー。NHKの野球中継だとそういう放送してることがありますし。

町田ロス

もう競技大会で町田選手の演技を見ることは出来ません。あまロス、タモロス、町田ロスです。喪失感いっぱい。

ツイッターでも町田ロスをつぶやく人が多数見られますね。「思った以上に町田ロス」っていう人が多いです。

→「町田ロス」をTwitter検索する

普通に見どころの多かった今大会ではありますが、町田選手の電撃引退発表という衝撃もあって、今年の全日本もたぶん一生忘れないだろうなーと思います。

以上、2015全日本フィギュアスケート大会の感想でした。

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